半導体敗戦、新たな出発 2012 3 4

 エルピーダメモリの倒産(会社更生法の適用を申請)を受けて、
日本の半導体産業に関しては、悲観的な意見もありますが、
新たな出発を考えなければなりません。
 私は、2011年9月11日に、書評で、
「透明金属が拓く驚異の世界」という本を取り上げ、
その本の中で、「ガラスが高性能の透明トランジスタに変身」、
「セメントを透明な半導体に、さらに金属に変身させる」ということが、
興味深いと書きました。
 私が、イメージしているのは、ガラス・コンピューターです。
これについては、2003年にも書きました。
この当時は、空想に近いものがありましたが、
要するに、透明な半導体に、透明なCPUを作るということです。
 これで、窓ガラスが、あるいは車のフロントガラスが、
ディスプレイに、いやコンピューターそのものになると思います。
 もしかすると、こうした新しい半導体は、
伝統的な半導体企業ではなく、
たとえば、自動車部品メーカーが開発するかもしれません。

透明金属 2011 9 11

書名 透明金属が拓く驚異の世界
著者 細野 秀雄  神谷 利夫  ソフトバンク クリエイティブ

 透明な金属というと、違和感を感じる人が多いでしょうか。
確かに、金も銀も銅も、どう見ても、透明ではありません。
身近な金属で、透明なものはないかもしれません。
 しかし、現代社会は、透明金属で成り立っていると言ってよいでしょう。
液晶テレビは、透明金属を必要としています。
 さて、液晶テレビが、
どのような構造になっているかを書くと長くなりますので、
この本から引用しましょう。
「液晶に電圧を加えるだけならば、
銅のような普通の金属をつなげれば簡単ですが、
普通の金属は光を透さないということです。
 液晶テレビの場合には、
後ろにあるライトの光を透さなければならないために、
普通の金属を使うことができません。
 透明な金属は、電気と光の両方を通す必要がある用途に、
なくてはならないものです」
 この本で興味深い章は、
「第7章 ガラスが高性能の透明トランジスタに変身」でしょう。
これで、窓ガラスが、あるいは車のフロントガラスが、
ディスプレイに、いやコンピューターそのものになると思います。
要するに、ガラス・コンピューターが出現するでしょう。
 次に、感動的な章は、
「第8章 セメントを透明な半導体に、さらに金属に変身させる」でしょう。
これを読んで、「材料科学」に興味を持つ人が多いと思います。
 さて、透明になる金属の話は、別の本にも紹介されています。
「水素がわかる本」(小波 秀雄 工業調査会)
ある金属に水素を吸蔵させると、透明になるという実験です。




















































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